↑+1103.90円

6/22 日経平均7万円、プロもまさかの急騰劇 ─ 8連騰で連日の最高値


本日の日経平均株価は前日比+1103.90円高の7万2353円(7万2353.96円)まで上昇し、8連騰で連日の史上最高値を更新しました。終値ベースで初めて7万円に乗せたのが18日。そこからわずか数日でさらに水準を切り上げ、6万円台からは史上最短となる2カ月足らずで7万円台に到達した格好です。私は、ここまでのスピードには素直に驚いています。

「なぜここまで上がったのか」ですが、PDFによれば株高の柱はあくまで企業業績だと説明されています。米国とイランの戦闘終結合意で日本企業の増益確度が高まったとされ、AI・半導体関連を中心に「実際に利益が出ている」相場だと識者は見ています。値動きそのものはAI相場の延長ですが、その裏付けとして業績の強さがある、という整理だと私は受け止めました。

■本日の主な材料

・証券各社が、上昇する相場を追いかけるように目標株価を引き上げています。大和証券は18日、2026年末の予想を従来の6万7000円から8万円へ引き上げました。坪井裕豪チーフストラテジストは「企業業績がこれほど強いとは想定外で、特にキオクシアホールディングスの伸びは予想を超えていた」とコメントしています。 ・JPモルガン証券も同日付で26年末見通しを7万円から7万5000円へ上方修正。西原里江チーフ株式ストラテジストは「キオクシアや電線メーカー、半導体や半導体製造装置企業を中心に早い業績成長が実現しており、成長にはアップサイド(上振れ)リスクさえある」と述べています。 ・キオクシア株は19日に前日比12%(+12.07%、10万8600円・+1万1700円)急騰し、日本企業で史上2社目となる時価総額60兆円に近づいたとされます。半導体まわりが今回の相場をけん引している様子がうかがえます。

■過熱感とテクニカル(200日移動平均からの乖離)

・日経平均は長期トレンドを示す200日移動平均からの上方乖離率が、22日に34.68%と13年5月以来の高水準になりました。「買われすぎ」の目安とされる20%を大きく上回っています(上方乖離=平均的な水準からどれだけ上に離れているかの度合い、と私は理解しています)。 ・GCIアセット・マネジメントの池田隆政シニア・ポートフォリオ・マネジャーは「日経平均が200日移動平均とこれほど離れたのは過去わずかしかなく、必ず調整してきた。タイミングは読めないが調整局面は来るはずだ」と話しています。上方乖離率が今より大きかったのは、朝鮮戦争特需に沸いた1952〜53年とアベノミクス相場の2013年しかないとのことです。 ・前週末19日は米株式市場が祝日で休場のなか、日経平均先物は大阪取引所の夜間取引で上昇。9月物は7万1850円と日中清算値を230円上回り、週明けの一段高につながった形です。

■識者の声・温度感

・仏コムジェストのリチャード・ケイ氏(日本株投資歴32年)は「自分が生きている間に日経平均が7万円に行くとは思わなかった」と感慨を漏らしています。 ・野村証券の岡崎康平チーフ・マーケット・エコノミストのもとには国内機関投資家から問い合わせが相次ぎ、「日経平均が下がったら買いたいがどこで買いを入れたらいいのかわからない」「この相場上昇について行けている投資家は少ない」といった声が目立つそうです。 ・一方で慎重な見方もあります。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「金融政策や金利水準を踏まえても株価は高すぎる。マクロ環境に投資家の目が向かないのは違和感がある」と指摘。米国ではウォーシュFRB新議長のもとで利上げ姿勢が示され、日銀も追加利上げに前向きとされる中での上昇です。 ・それでも和キャピタルの村松一之運用本部部長は「株価の上昇スピードに違和感はあるが今はAI相場からは降りられない」とこぼし、シティグループ証券の阪上亮太株式ストラテジストは「実際に(企業の)利益は出ているのでゆがみやリスクを指摘しにくい相場だ」とみています。

■今後の注目

・24日には、キオクシアの同業である米マイクロン・テクノロジーが26年3〜5月期決算を発表します。同社株は5月末からの3週間で17%上げており、和キャピタルの村松氏は「市場の期待値は相当高くなっており一時的な調整が入ってもおかしくない」と話しています。業績が株高の根拠になっている以上、その柱であるAI・半導体企業の成長スピードに少しでも疑念が出れば、相場全体への影響も大きくなりそうです。

私としては、業績の裏付けがあるという説明には一定の納得感がある一方、200日移動平均からの乖離が34.68%まで広がっている点はやはり気になります。私は当面、AI・半導体の業績、とりわけ24日のマイクロン決算を一つの試金石として見ながら、高値警戒は手放さずに付き合っていくつもりです。