7/5 週間展望、日経平均は伸び悩みか 円は上値試す
週末なので、日本経済新聞の「ウィークリー市場展望」を読みながら、来週(7月6〜10日)の相場を私なりに整理しておきます。日経平均株価の3日終値は6万9744円で、6月29日〜7月3日の週では383円(1%)高でした。ただ来週は、財政拡張的な政策や日銀の利上げ遅れへの警戒から国内金利の押し上げ圧力が強く、寄与度の大きいハイテク株の重荷になりそうだ、という見立てです。個人的にも、ここからは上値の重い展開を覚悟しておくべきかなと思っています。
予想レンジは、三井住友信託銀行の瀬良礼子上席理事が6万7500〜7万2000円、大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストが6万8000〜7万1000円としています。
■なぜ上値が重いのか(長期金利という逆風)
・先週は高値警戒から値がさのAI・半導体株が売られる場面があり、キオクシアホールディングスは8880円(10%)下落しました。上げてきた分だけ、警戒感も出やすいということだと思います。 ・国内債券市場で長期金利は約30年ぶりの歴史的な高水準にあります。金利上昇は企業の将来利益を現在価値に換算する際の割引率を引き上げるため、将来の利益成長が織り込まれやすいハイテク株には逆風になりやすい、という理屈です。 ・瀬良氏は「上昇傾向にある長期金利への警戒感がハイテク株の上昇ペースを下げている」とみています。一方で坪井氏は「原油価格が落ち着き、前回の決算期と比べ原材料などの調達のめどは立ちやすくなっている」として、出遅れていた内需・小売り株に物色が広がる可能性を指摘しています。
■国内金利、低下は限定的
・長期金利は2日の低調な入札を受けて、約30年ぶりに一時2.8%を上回る場面がありました。政府が6月30日にまとめた「骨太の方針」の原案で「適切な金融政策運営」に触れたことから、市場では政権が日銀の利上げをけん制しているとの見方が広がっているとのことです。 ・みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは「長期金利は2.7〜2.9%台で推移する」とみています。財務省は7日に30年債入札を実施し、明治安田アセットマネジメントの大崎秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは「利回りが4%(複利)に近づくなかで投資妙味は高まっている」として入札は無難に通過すると見込んでいます。
■円相場、ドル高一服で上値試す
・外国為替市場で円は対ドルで上昇しそうだ、との見立てです。1日には一時1ドル=162円80銭台と39年半ぶりの安値水準を更新しましたが、2日発表の6月の米雇用統計が市場予想を下回り、早期の米利上げ観測が後退。円買い・ドル売りを促し、160円台後半まで巻き戻しました(3日午後5時時点は160円77〜79銭)。 ・予想レンジは伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストが159〜162円、オーストラリア・ニュージーランド銀行の町田広之ディレクターが159円50銭〜163円。ただ町田氏は「国内の長期金利が3%をつければ1ドル=163円まで下落する可能性もある」ともみており、政府・日銀による円買い為替介入への警戒感も強まっているそうです。私は、金利と為替のどちらに引っ張られるか読みにくく、荒い値動きを想定しておこうと思います。
■原油・金
・原油相場は下げ渋りそうだ、とのこと。米指標油種のWTI先物は、米国とイランの軍事衝突直前の2月27日終値(1バレル67.02ドル)に接近しました。4〜9日にイラン前最高指導者ハメネイ師の国葬関連式典が予定され、戦闘終結に向けた協議は国葬後に再開するとみられます。5日にはOPECプラスの会合も控え、供給増加への警戒が需給の緩みを意識させる材料です。WTIの予想レンジはニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストが65〜72ドル。 ・金(ゴールド)は横ばい圏の見通しです。2日の米雇用統計を受けた米早期利上げ観測の後退で、金利の付かない金の投資妙味が高まり、ニューヨーク先物は1週間ぶりの高値を付ける場面がありました。予想レンジは森田アソシエイツの森田隆大代表が1トロイオンス4050〜4300ドルです。
■今後の注目(来週の主な予定)
・6日(月)=6月の米非製造業(サービス業)景況感指数 ・7日(火)=30年債入札、5月の米貿易収支 ・8日(水)=FOMC議事要旨(6月16〜17日開催分) ・9日(木)=5年債入札、決算=セブン&アイ、ファストリ ・10日(金)=決算=安川電、イオン ・このほか8日にはアサヒグループホールディングスが、発表が遅れていた2025年12月期決算を開示する予定です。
まとめると、上値はハイテク株の伸び悩みで重い一方、内需株を中心に物色が広がる余地もある、という綱引きの一週間になりそうです。私は当面、国内長期金利が2.8〜2.9%台でどう動くかと、円相場が162円台の円安に戻すのか159円方向の円高に振れるのかを最大の焦点として、出遅れていた内需株にも目を配りながら様子を見ていきたいと見ています。