7/21 日経平均、3営業日ぶり大幅反発 キオクシアなどAI・半導体に自律反発狙い
本日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、終値は前週末比2091円07銭(3.26%)高の6万6232円19銭でした。3連休前の17日に一時4000円あまりの大幅安を演じた反動で、21日はAI・半導体関連を中心に自律反発狙いの買いが優勢でした。20日の米半導体株の上昇に加え、21日の韓国株の反発も投資家心理を上向かせ、前週まで下げが目立ったキオクシアやアドバンテストなどが取引終了にかけて強含むと、日経平均もじり高となり、この日の高値で引けています。
TOPIX(東証株価指数)も3営業日ぶりに反発し、95.74ポイント(2.44%)高の4014.95、JPXプライム150指数も36.29ポイント(2.21%)高の1680.78と、いずれもこの日の高値で終えました。東証プライムの売買代金は概算で9兆9675億円、売買高は23億2198万株。値上がり銘柄数は1231、値下がりは294、横ばいは33でした。値上がり銘柄が大きく上回る、素直な反発の一日だったと思います。
■なぜ反発したか(本日の主因)
・直前の急落の反動が大きかった点がまず挙げられます。17日の日経平均は前の日に比べ2694円安と、1日の下げ幅としては歴代5位の大きさでした。米半導体株安を背景に国内のAI・半導体関連が軒並み安となっていたため、その反動での買い戻しが入りやすい地合いだったと個人的には見ています。 ・外部要因では、日本が祝日で休場だった20日の米市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4営業日ぶりに反発し、21日の韓国総合株価指数(KOSPI)も3%強の上昇。ハイテク株比率が高いアジア市場が総じて堅調だったことが、東京市場の追い風になりました。
■信用取引の「追い証」と強制決済
・前週までの急落で、信用取引の追加証拠金(追い証=評価損が膨らんだ際に追加で求められる保証金)が発生した個人投資家が増えているとされます。期日までに差し入れられないと証券会社が強制決済(反対売買)に動くため、キオクシアなど信用買い残が膨らんだAI・半導体関連の一角で、週前半にかけて強制決済に伴う売りが出るとの観測もありました。 ・ただ本日はその影響は目立たず、逆に個人投資家による短期リバウンド狙いの買いが通常より多かったとの声があったようです。需給悪化の懸念が思ったほど表面化しなかったことも、反発を後押ししたのだと思います。
■地政学・原油という重し
・日経平均は朝方に伸び悩む場面もありました。イエメンの親イラン武装組織フーシが20日、サウジアラビアに対し紅海を念頭に「海上封鎖」を即時実施すると宣言したと伝わったほか、米国とイランの対立が深まるとの懸念も根強い状況です。 ・原油相場が上昇すれば、資源の多くを中東から輸入する日本企業の業績に逆風との見方が日本株売りを促す面があります。実際、INPEXが一時4.3%高となるなど、原油高の思惑が一部銘柄に出ていました。反発局面でも、この地政学リスクは頭の片隅に置いておきたいところです。
■本日の主な個別材料
・キオクシア(285A)は△17.18%と大幅反発。後場に一段高となり、前週末比9650円(18.52%)高の6万1760円まで買われる場面がありました。前日の米半導体株高やアジア市場の上昇で投資家心理が一段と強気に傾いたことが背景です。値上がり率ランキングの首位でした。 ・三菱商事(8058)は△4.87%と反発。日経電子版が19日に「三菱商は米穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)と連携し、再生航空燃料(SAF)生産を検討する」と報じ、穀物関連の供給網を生かした事業拡大への期待から買いが入りました。 ・ホンダ(7267)は△1.40%と反発。20日に中国の広州汽車集団との合弁会社の契約期限を10年延長し2038年まで継続すると発表しましたが、短期材料としては乏しく、中国市場の競争激化を懸念する売りも出る場面がありました。 ・イビデンも値上がり率4位(11.03%)と半導体関連の反発が目立った一方、任天堂は値下がり率2位(4.13%)と、上値の重さが嫌気される場面もありました。
■今後の注目
今日の反発は、急落の反動と海外ハイテク株高という追い風がそろった自律反発の色が濃いと私は見ています。信用の追い証・強制決済の売りが表面化しなかったのは安心材料ですが、中東情勢と原油次第でセンチメントが振れやすい点は変わりません。私は当面、AI・半導体関連の需給と原油相場の両方をにらみながら、慌てずに様子を見ていきたいと思っています。